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2018年09月05日

おわらと坂の町

おわらと坂の町

前編を経て、いざ八尾・西町へ。
小雨がぱらついていたため地方の皆さんや踊り手さんが外に出られず、
コミュニティセンターでの踊りを鑑賞しました。


↑音が出ます。手ぶれ失礼。

この優美さよ…いつ見ても美しい。

おわら風の盆公式サイトによれば、
動画の踊りは昭和初期に作られた「新踊り・八尾四季」という踊りで、
観光客を交えた輪踊りでは「旧踊り」と呼ばれる豊年踊りが踊られます。
旧踊りは、種まきや稲刈りなど稲作にまつわる所作に由来しているのだそうです。

おわらと坂の町
輪踊り。この頃には雲も晴れて、星が見えていました。

当時は基礎知識も、囃子や唄の節回し、踊りの構造すら知らなかったので
唄の歌詞も聴き取れませんでした。
踊りと町の雰囲気だけで十分魅力的だったんです。
ただ、今回は唄が聞こえる…言葉がわかる…!
奄美で島唄に触れたおかげでしょうか。
改めて聴くと現代語が多いことにも気づきます。
そしてこの長い一節を、一息でつなぐ唄い手の皆さんの肺活量たるや…

また、博多の祝いめでたや奄美の六調など全国の様々な民謡で唄われる
「めでためでたの若松様よ」をおわらでも聴けて小躍りしてしまった。



↑動画(音出ます)はこちら。
囃子に続いて「めでためでたの若松さまよ 枝も栄える葉も繁る」です。

おわらと坂の町
最後は月夜の下、外で男女で。はあ美しい。

…と、友人たちとわいわい西町を堪能して、翌日29日は鏡町へ。
おたや階段の踊り場と男女の混合踊りが特徴で、これまた美しい地区です。
この日は動画も写真も撮らず、ひたすら踊りと地方の響きに釘付けになっておりました。



そう。
写真や動画で眺めていても、おわら節を検索して聴いても満足できず
どうしても八尾の町を歩きたかったのです。

おわらと坂の町
井田川と、ぼんぼりに照らされた八尾のまち。

おわらと坂の町

おわらと坂の町

確かに福岡と富山は物理的な距離があるんだけど、行けてよかった。
帰りは高岡、金沢に寄り道して、小松空港からは1時間で福岡に着きました。
近いじゃないか!

行きたい場所を八尾近辺に絞り込み、覚悟していた弾丸ツアーにも関わらず
「せっかく来るなら」と万障繰り合わせて時間を割いていただいた上
寝食や移動手段まで気にかけてくれた友人各位には、足を向けて眠れません。
そしてご無沙汰でも暖かく迎えてくださったFMとやまの皆さん、
きっとそれぞれに日々があるでしょうが、また笑って話せて嬉しかったです!
挙げ句の果てにはRADIO JAMリスナーの皆さん、突然お邪魔しました…



懐かしい顔ぶれ。失礼しました。

おわらを見に行きたい、というのは一番の目的だったけど
その前提として、八尾に戦友がいたことを考えると
結局人に会いに行った富山弾丸でした。いつものことですね。

皆さんに迎えていただいたように、
私も、自分が暮らす街に友達が来てくれたときは全開で迎えたいよ。
ふらっと遊びに来てくださいね。

さて、
全てのきっかけとなった小玉ユキさんの「月影ベイベ」という作品は
旧町を舞台に、東京から来た高校生・蛍子が
おわらを介して八尾の同級生やおわら仲間、そして家族と通じていく青春物語です。
恋愛や友情の行方も気になって仕方なかったけど、
物語の底に流れるおわらと八尾、婦中近辺の描写と富山弁に心を掴まれます。
小玉さんの作品はおわらにジャズにと、
作品の底を流れる要素が一つ一つツボを押してくれるので、すっかりはまっています。
名作「坂道のアポロン」とともに、ぜひ読んでみてください。
きっと八尾に行きたくなる!


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Posted by 上野 紋 at 12:39 │写真旅の思い出富山のこと